恋想即興曲 「ありがとう」「ごめんね」 伝えたい言葉は 何一つ君に伝えられなくて 私はいつだって 貰ってばかりで 何一つ返せないまま 魔法がとけた 私はいつも君の隣りに居て 君と同じ景色を 見ているつもりでした 君は最初からそこには居なくて スクリーンの向こう側で 笑っていたんです "君"を演じてた君はどこですか? 一度は掴んだはずの左手を 何も出来ずに離してしまう また君を見失いました 「さよなら」を君に言いに来たんです 突然 切り出された君の言葉 私は意味もよく理解できないまま ただ一滴の想いを溢しました 少し遠くの景色を見に行くんです 見た事のない顔をしてる 君が言いました 君に頼ってばかりだった僕が 僕だけでも出来る事を 確かめたいんです 君がそんな風に考えてた事を 気付けなかったのが とても悲しいんです 「ごめんね…」と抱きしめる 君の両腕を振り払いました 私に優しくしないでください 私がまた勘違いしないように 君の居場所に なれるつもりでいました "君"の声は聞こえてると思ってました もし僕が全部 演じ終えたら 必ず君を迎えに行くから なんて そんな優しさは残酷なんです もう私に期待させないで 立ち尽くす君と私との距離が 無限に広がって滲んで消えていく 最後は笑ってお別れするんです 優しすぎる君が心配するから 絶対 お互いに頑張ろうね 君の隣には もう居れないけど もしまた君に会う事が出来たなら 君と笑って話したいから… ほらね?私は大丈夫だから 君は"君"の事だけを考えて 幻だった私は消えるけど 時々は思い出してくれますか 私と出会ってくれて 本当にありがとう