ねこ日和 街で一番大きくて真っ白な猫 いつも塀の上で寝ころんでます もう何年も同じ時間おんなじ場所で 行き交う人を眺めています 幸せそうに手を繋いでる人や 楽しそうに笑っている子供たち 少しくたびれて歩いてる人も 全てが魅力的に映ります 僕の世界は退屈で溢れてるよ もっと素敵な世界があるはずだよ 大きな体を丸めながら目を瞑りました 今日はいい天気 夢を見るよ 僕が人になる夢 きっといつか叶う気がするんです それまではずっとおやすみなさい 正夢になりますように 今日は絶好のねこ日和 いつものように まどろんでた白猫に 話しかける声が聞こえます なんでそんなにつまらなそうにしているの? 起きると女の子が立っていました 答えるのも何だか面倒くさいし どうせ何かが変わる訳でもない もう一度寝なおす猫を撫でながら その女の子はこう言いました 楽しい事は寝てても見つからないよ 見つけ方を君に教えてあげる 不思議そうな顔をしてる猫を 抱きあげて自転車の籠に乗せた 恐る恐る籠にちょこんと座る猫を乗せて 自転車が走り出すよ 見飽きてるいつもの街並が 風と混じって消えていきます 見た事も無い風景です ほらね 君が思うより 君の世界はこんなにも楽しくなるよ 街の外れで自転車を降りた猫は ニコッと笑う女の子と別れました いつもの場所に戻った猫は 勇気を出して塀を飛び降りた 歩こう歩こう 新しい世界を見に行こう きっと傍にあるから 無い物ねだりはもう止めた 僕の世界を楽しもう 猫の世界も捨てたもんじゃない 今日は絶好のねこ日和