街はずれ丘の上 カラフル三角帽子の屋根 笑い声が響く 楽しげなサーカス団の夜 ひとりぼっちの道化師は 華やかな舞台袖の隅で ガタガタ震えてます 「僕にはきっと何もできません」 いつだって自信のない顔で 何ひとつ上手くできません 観客の失笑が響いた 「僕は愛されたいだけなのに…」 空っぽの夜の帽子で いつも道化師は笑い顔で泣きます 「僕でもいつか誰かのことを笑わせてあげる事ができるのかな…」 一年後の道化師は 相変わらずひとりぼっちです 全部投げ出して 「僕は誰からも愛されません…」 空想の怪物が彼を飲み込み始めます このまま消えてしまいたいと願いました 「世界は僕に興味がないんだ!」 今日もまた静かな帽子に ふともれ響く誰かの笑い声 少女がひとり笑みを浮かべて おもしろかったよと手を叩いてました 生まれて初めて彼は心から 笑い返すことができました 波のようにゆっくりと 沸き起こる笑い声 彼の耳に響きます 「僕の声は届いていたんだ!」 前を向いた道化師は気づいた ほのかな自信と笑い方を 手に入れた彼は歩き始めます 人で埋まった夜の帽子で いつも道化師は泣き顔で笑います 噂は走り時が流れて 今日も彼の笑い声があふれます 道化師の夜は続くのでした